2005-01-13 18:15:32

迎春

たいへん遅くなりましたが、レターを読んでくださっている皆さん、明けましておめでとうございます。

夏の暑い日に羊やヤギを迎えてから、あっという間に真冬の雪国になってしまいました。昔ほどは降らないよ、と言われても、雪の降り積もる土地に住んだことがないので(私が小さかった数十年前は東京でもけっこう積もってたと思うけど、よく覚えていません)、1週間以上も雪が残っていることが不思議です。

とても便利で快適だったマンションを出て、わざわざ何でこんなことしてるんだろう・・・と、ふと思ったりするのですが、ファームを始めたかった理由を少しだけ言葉にしてみようと思います。本当は言葉になどならない部分がたくさんあるような気がするんですが・・・。

FBCCを訪れてくださる方々のキーワードは、もちろん「シープドッグ」でしょうし、具体的に「トライアル競技」を思い描く方もいらっしゃるかもしれません。でも、その辺を期待して訪れてくださった方は、内心、「あれ?」と思われたかもしれません。

私たちのキーワードは「暮らし」、もっと犬的にいえば「家庭犬」です。生き物が生きていくために必要な土に触れて暮らしたい。家畜たちの気持ちも知りたいし、大事にしたい。その家畜の世話を一緒にしながら犬とのコミュニケーションをもっと上手にとりたい・・・と、思っているような気がします。
なんだかあいまいな言葉ですが、そんな感じなのです。

私たちの犬は、いろんな方法で語りかけてくれますが、家畜仕事をするときが、一番会話がわかりやすいような気がするのです。同じ目的を持って動く、それだけのことなんですが、一緒に作業する連帯感が感じられます。きっと、犬も感じてくれているに違いありません。一度彼らの言葉がわかり始めると、少しずつですが、違う局面でもわかりあえるような気がしてきます。犬に一方的に何かを教えるというのではない、この不思議な感覚をもっと味わいたいと思うのです。

今やシープドッグの世界は、どこの国でもトライアルドッグが主流でしょう。実働する場所はほとんどなくなってしまいましたからね。でも、彼らを家庭犬として飼いたいからこそ、小さな農場を始めたバカな人間がいてもいいじゃない?と思うのです。

生活全般の中で犬に傾ける気持ちの比重は下がってきているかもしれません。でも、殊更に、犬犬犬・・・と考えなくなった今の方が、ちゃんと犬と共生しているように思います。犬たちが人間という一風変わった動物からのプレッシャーを感じずに、犬らしく生きてくれているからではないのかな?と思います。

何もないときには、ストーブの前やソファの上でごろごろ寝っ転がっている犬たち。でも、「ちょっと手伝って!」と声をかけると飛んできてくれる彼ら。狭い場所だから、たった数秒で終わる羊の移動でも、喜んで手伝ってくれて、終わるとまた家の中でくつろいでいます。先人の記述の中にある農場の犬たちに少しは近づいてきたでしょうか。農場の犬たちが勝負の世界や華やかな舞台とは関係なく、ただ仕事をしているという風景。そんな中で培っていく人間との信頼関係。いつしか私たちにとってなくてはならない存在に変わっていく犬という生き物を、理屈ではなく、本能で受け止めることができればいいなぁ・・と思っているのかもしれません。

Posted by FairRings at 2005-01-13 18:15:32 | コメント(0) | Trackback(0)



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